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「禅文化学林」にて活動報告(11月23日~24日)

平成17年度禅文化学林に参加しました。

禅文化学林の様子
大般若法要の様子

 平成17年11月23日、平成17年度禅文化学林・第29回東海管区曹洞宗青年会大会・曹洞宗岐阜県青年会30周年記念大会として、岐阜県にある県民文化ホール未来会館において、「今、いのちを見つめる~こどもたちの未来のために~」と題した大会が開催された。翌日の11月24日は、「今後の青年会活動を見つめる」と題し、曹青教化活動研修会が、岐阜県「十八楼」で行われた。

 第1日目は「転読大般若御祈祷法要」ではじまった。
 導師は、曹洞宗岐阜県青年会初代会長老師が勤め、参加の僧侶70名が随喜した。

 その後、アルピニスト、野口健氏をお招きしての講演が行われた。
 エベレストの清掃登山を行い、現在は富士山の清掃を行っている人、といえば、ご存じの方も多いだろう。

禅文化学林の様子02

 野口さんといえば、頂上で、泣きながら「登頂成功しました」などと無線で報告するシーンをよくテレビなどで目にするが、これは感動して泣いているのではなく、頂上付近は、登頂に失敗した登山家の死体がゴロゴロしていて、怖くて泣いているのだと言っていた。日本人をはじめ東洋人は、基本的に遺体を持ち帰るそうだが、(亡くなった人が出ると、次回その遺体を持ち帰るための登山が行われることもある。またその「遺体を持ち帰る登山」でまた犠牲者が出ることもある)西洋人はそのまま放っておくことが多いのだそうだ。

 野口さんは1999年、3度目の挑戦でようやくエベレストの登頂に成功したわけだが、その「登頂失敗」した第1回目のエベレスト挑戦の時、同行していたヨーロッパの登山家に「富士山はとても汚い山だ。エベレストも日本人のゴミが多い。あなたたち日本人はエベレストも富士山のようにするつもりなのか?」というようなことをイヤミたっぷりに言われたそうだ。
 その思い出がいつまでも自分の頭に残り、その後、4年間のエベレスト清掃登山を行うことになる。この西洋人に言われたイヤミが彼の活動の原点となったのだ。
 さて、このエベレスト清掃登山には「シェルパ」と呼ばれる地元の登山案内人にも協力をしてもらったそうだが、毎年1人ずつこの「シェルパ」が亡くなったそうだ。最初は「清掃登山中に亡くなったわけではない。この人たちが亡くなったのはお気の毒なことだが、清掃登山が原因ではない」と考えていたそうだが、3回目の清掃登山の後、野口さん自身も体調を悪くし、何千メートルというところに何ヶ月間も留まることが大変危険であることに気づく。
 シェルパが亡くなったのは、自分が企画したエベレスト清掃が原因だったに違いない。そう確信した野口さんは亡くなったシェルパの家族に謝罪に行った。「帰ってください」という遺族もいる中、遺族の一人から、「なくなった主人は自分の子供に、『オレはエベレストをきれいにする活動をしている。これは大変な誇りである。エベレストからネパールを変えていくんだ』というようなことを何度も言って死んでいった」という話を聞いたという。
 野口さんは、そのシェルパの言葉に感動し、富士山の清掃登山を思いつく。「富士山から日本を変えていこう」

 最初は数十人の活動だった。拾ったところにまたゴミが捨てられる。「焼け石に水」。全く無駄な活動に思えた。何度もやめようと思ったが、毎年続けた。すると、参加人数がどんどん増えるようになってきた。ある年、いつもゴミが捨てられている所にゴミ拾いツアーを行った所、ゴミが1個もなかったそうだ。登山者がゴミを捨てなくなってきたのだ。この活動により、今、富士山の5合目より上はかなりきれいになっているという。現在は樹海などの清掃を行っているそうだ。
 はじめは小さな力でも、続けていくことで大きな力になる。
 とてもはげまされる話だった。

禅文化学林の様子03

 最後に、野口さんとタレントの高木美保さんを交え、対談が行われた。
 高木さんは、役者として活躍していたころ、夜遅い時間に朝のシーンを撮影したり、早朝に夜のシーンを撮影したり、ということが、よく行われていたという。人間にはリズムがある。朝は朝の気分があるし、夜は夜の気分がある。「朝だけど夜のシーンを」となると、自分の気持ちを「夜の気分」に変えなくてはならない。そのような事をしているうちに、精神的におかしくなってしまった、というような話をしていた。そのような経緯から、現在は栃木県那須高原に住まいを移し、自然の中で生活しているという。那須高原の生活の中で、今、自分のリズムを取り戻しているという。

 夕方からは、未来会館の近くの「十八楼」にて懇親会が行われ、そこに宿泊した。

 2日目は、宿泊したホテル「十八楼」にて、講師に岐阜県恵那市長國寺住職小島泰道老師をお招きし、東海管区の各青年会の活動報告が行われた。
 当静岡県第一宗務所青年会からは、副会長・高橋師が発表を行った。
 主に「タイブックバンクプロジェクト」と「平和祈念托鉢」についての発表をした。

 8団体の活動報告が行われ、最後に講師小島老師の講評をいただき終了した。

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